N値ってなに? 低いと危険!

N値(エヌち)とは、地盤の強度を表す数値のことです。地盤調査における「標準貫入試験」という方法で測定され、建物を建てる際の基礎設計や、地盤改良の必要性を判断するために用いられます。

N値とは何か?

N値は、以前のコラムで解説しました標準貫入試験において、一定の重さのハンマーを自由落下させ、サンプラーと呼ばれる筒状の器具を地中に30cm打ち込むのに必要な打撃回数を表します。

数値が大きいほど、地盤が硬く締まっていることを示し、建物を支える力が強いと考えられます。
数値が小さいほど、地盤が軟弱であることを示し、建物を支える力が弱いと考えられます。


NなぜN値が必要なのか?

N値は、建物を安全に建てるために非常に重要な情報です。N値を調べることで、以下のことが分かります。

 ・地盤の強度:建物を安全に支えられる地盤かどうかを判断できます。
 ・地盤の締まり具合:地盤がどの程度締まっているかを知ることができます。
 ・地盤の沈下リスク:地盤沈下のリスクを予測し、適切な対策を講じることができます。
 ・適切な基礎設計:N値に基づいて、建物の重さや地盤の状況に合わせた基礎設計を行うことができます。
unnamed.png

N値の使われ方

N値は、主に以下の場面で活用されます。

 ・住宅の基礎設計:戸建て住宅やマンションなどの基礎設計において、建物の荷重を安全に地盤に伝 えるためにN値が用いられます。
 ・地盤改良工事:軟弱な地盤の場合、地盤改良工事が必要となります。N値に基づいて、適切な改良方法や改良範囲を決定します。
 ・公共工事:道路や橋梁、ダムなどの公共工事においても、地盤の安定性を確認するためにN値が用いられます。


N値の目安

一般的に、N値が50以上あれば、建物を安全に支えられる強固な地盤であると考えられています。一方、N値が4以下の場合、軟弱な地盤である可能性が高く、地盤改良工事が必要となる場合があります。
N値は、地盤の状況を把握し、安全な建物を建てるために欠かせない情報です。専門家による適切な地盤調査とN値の評価に基づいて、安全な建物を建てることが重要です。

木造住宅2階建ての建物に必要なN値は


木造2階建て住宅に必要なN値は、一概に「〇〇以上」と断言できるものではありません。なぜなら、必要なN値は、以下の様々な要因によって変動するためです。

 ・建物の重量と構造: 建物の形状、使用する建材、積雪量などによって、地盤にかかる荷重が異なります。
 ・地盤の種類と状態: 砂質地盤、粘性地盤、ローム層など、地盤の種類によって強度が大きく異なります。また、同じ地盤でも締まり具合や含水率によって強度が変化します。
  ・基礎の種類:直接基礎、杭基礎など、基礎の種類によって地盤への負荷のかかり方が異なります。
 ・しかし、一般的な目安として、木造2階建て住宅の場合、以下の点が考慮されます。
 ・一般的に、平均N値が3~5程度の地盤が3~4m程度の深さまであることが望ましいとされています。
 ・地盤調査の結果、N値が低い場合は、地盤改良工事が必要となることがあります。
地盤調査の結果から地盤の支持力を算出し、木造2階建ての建物を建てる場合は、2t/㎡以上の支持力があることが望ましいとされています。
したがって、木造2階建て住宅を建てる際には、必ず専門家による地盤調査を行い、その結果に基づいて適切な基礎設計と地盤改良を行うことが重要です。


以下に、関連する情報をまとめました。

地盤調査の重要性: 地盤調査は、建物の安全性を確保するために不可欠です。専門家による適切な調査と評価に基づいて、安全な建物を建てることが重要です。
・N値の目安: N値は、地盤の強度を示す指標ですが、あくまで目安です。地盤調査の結果と専門家の判断に基づいて、適切な基礎設計を行う必要があります。
・N値計算法: 建築基準法で定められたN値計算法は、柱頭柱脚の金物選定に用いられます。2階建ての場合、1階建てよりも考慮すべき点が多くなります。
ご自身の土地に木造2階建て住宅を建てる際には、必ず専門家にご相談ください。

ティダホーム 一級建築士 藤井高徳

#川崎市多摩区の注文住宅はティダホーム

#川崎市多摩区のリフォームはティダホーム

メニュー